三重県鳥羽志摩地方の海女

令和元年5月20日 文化庁は、地域の有形・無形の文化財をテーマでまとめ、魅力を発信する「日本遺産」に新たに16件を認定しました。三重県内から「海女(Ama)に出逢えるまち 鳥羽志摩~素潜り漁に生きる女性たち」が認定されました。

鳥羽・志摩地方の海女 

  漁労の中で裸潜水の作業により採貝、採藻などに従事するものをさして「アマ」といいます。近年は、女のアマを「海女」、男のアマを「海士」と書いて区別するようになっています。海女の作業は、昔も今もアワビ、サザエ、トコブシ、ウニ、海藻などを素潜りで獲ってくる伝統漁法です。

 大正時代までは上半身裸が普通でしたが、昭和初期からは、一般的に白木綿の磯着(いそぎ)を着るようになりました。昭和40年ころからゴム製のウエットスーツの着用が始まり、現在では、健康面からも全ての地区でウエットスーツを着用しています。現在、海女の白い磯着が見られるのは、観光・イベントなどに限られています。

 海女の数は年々減少しています。三重県では、昭和24年に約6,000人いた海女が、平成15年には約1,600人(海女・海士)となっていました。三重県教育委員会の平成22・23年度「海女習俗基礎調査」による就業者は、海女978人、海士316人でした。海女の専業という状況は存在しませんでした。海の博物館の平成26年調査では、海女761人、海士288人でした。

 海女漁の技術は、平成26年1月23日に「鳥羽・志摩の海女による伝統的素潜り漁技術」として三重県無形民俗文化財に指定され、平成29年3月3日に「鳥羽・志摩の海女漁の技術」の名称で国の重要無形民俗文化財に指定されました。文化財としての「海女漁の技術」は、三重県の「鳥羽・志摩の海女漁の技術」(平成29年3月)と石川県輪島市の「輪島の海女漁の技術」(平成30年3月)の2件が国重要無形民俗文化財に指定されています。今後、ユネスコ無形文化遺産に登録されることが期待されます。(愛宕公民館 令和元年5月21日)

 

2019年5月21日 | カテゴリー :